救急ナースの苦労

看護師は、勤めている診療科によって仕事内容が大きく異なります。救急ナースとは、看護師の一種であり、救急看護師とも呼ばれている存在です。救急ナースは、救急外来と呼ばれる診療科や救急救命センターなどに勤めている看護師のことを指します。救急外来や救急救命センターには、基本的に予約で訪れる患者はおらず、突発的に発生した怪我や病気などの症状に悩まされている患者が処置を求めて訪れます。救急ナースは、これらの患者の救急処置をすることが仕事です。この仕事は、救急外来だからこその苦労というものがあります。

救急ナースの苦労は、精神的なものと肉体的なものの二つに分けることが可能です。精神的な苦痛としては、患者が亡くなってしまうことが多いということです。救急外来を利用する人の多くは、症状に余裕のない状況でやってきます。優れた技術を身に着けて救急処置を行ったとしても、間に合わないということは間々あり、それはほかの一部の外来よりも多いといえるでしょう。技術が及ばなかったこと、亡くなった患者の家族などの言葉は時に精神的なダメージへとつながります。

肉体的な苦労としては、休憩時間がとりにくいということです。救急外来の仕事は、基本的には予定がなく患者を優先させることから、患者が訪れると休憩中であっても処置をしなければなりません。夜勤や残業、オンコールもあり仕事はかなりハードです。このように苦労は様々ありますが、それを上回り技術の向上が見込める点や患者を救った際の達成感といった充足もあります。また、医療の最前線である救急ナースとしての経験は高く評価されやすく、転職の際にも大きな強みとなるでしょう。